アルバイトでも有給は取れる?有給が発生する条件や取得方法について解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アルバイトは有給休暇が取れず、有給休暇は正社員の特権だと思っている人も少なくありません。

結論、アルバイトであっても有給休暇を取得できます。

しかし、アルバイトでも有給休暇を取得できることがあるのは分かったけど、

  • そもそも有給休暇とは何なのか知りたい
  • アルバイトで有給休暇が発生する条件について知りたい
  • アルバイトの有給休暇の取得方法が知りたい

などという人も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、アルバイトでも有給休暇が取れるのかという疑問を解決していきます。
有給休暇を1日取得するごとにもらえる金額や有給休暇の繰り越しについても解説するので、アルバイトの有給休暇について知りたいという人はぜひ参考にしてみてください。

そもそも有給休暇とは?

そもそも有給休暇とは、1日休みを取ってもその日分の給料が企業から支払われる制度のことをいいます。

有給のほか、「年休」や「有休」と呼ばれることもあります。

また、正式名称を「年次有給休暇」といいますが、年次ということなので一定の要件を満たせば毎年一定の有給休暇が得られます。
一定の要件とは労働基準法によって定められており、企業側は正社員・アルバイトなどの雇用形態に関わらず、要件を満たした雇用者に対しては有給を与えなければなりません。

つまり、アルバイトであっても有給休暇の取得が可能です。

アルバイトで有給休暇が発生する要件とは?

厚生労働省が発表している有給休暇が発生する要件は以下の通りです。

(1)雇い入れの日から6か月経過していること

(2)その期間の全労働日の8割以上出勤したこと

引用:厚生労働省 労働基準行政全般に関するQ&A

これら2つの要件を満たした場合、企業側は10労働日の年次有給休暇を与えなければなりません。

取得可能な有給休暇の日数は、契約内容の労働日数などによっても異なります。

取得可能な有給休暇の算出方法

取得可能な有給休暇の算出方法は「週30時間以上勤務または週5以上シフトに入っている人」と「週4日シフトより少ない人」で考え方が異なります。

シフトが週4日よりも少ない人の場合

  • 週30時間未満かつ週4日以下勤務 
  • 年間48日から216日勤務

上記に該当し、半年以上8割以上勤務を続けた場合、所定労働日数に応じて有給休暇が与えられることになります。

この場合は、学生などのアルバイトも比較的該当しやすいので、要チェックです。

週30時間以上勤務または週5以上シフトに入っている人の場合

  • 週30時間以上
  • 週5日以上勤務
  • 年間217日以上勤務

上記に該当し、半年以上8割以上勤務を続けた場合も、1年に10日以上の有給休暇が与えられます。

6年半以上勤務を続けた場合は、1年ごとに20日を上限として増えていきます。

2019年には労働基準法が改正され、年10日以上の有給休暇が与えられた雇用者は、最低5日以上有給休暇を取得することが義務付けられました。

アルバイトで有給休暇を1日取得するといくらもらえる?

アルバイトで有給休暇を1日取得するともらえる給料の計算方法は3つあります。
計算方法については、アルバイト先の就業規則で確認できます。

時給などから算出する場合

一定期間の労働時間が元々決まっている場合、「有給取得日の勤務時間×時給がもらえる給料」になります。

例えば、時給1,000円で働いているアルバイトが金曜日に4時間のシフトを入れていて金曜日に有給を取った場合、「4(時間)×1,000(円)」の4,000円分の給料が支払われます。

過去3ヵ月分の実績を元に算出する場合

月のシフト数にばらつきがある場合は、アルバイト先の直近3か月分の平均賃金から算出します。
例えば、直近3か月分の給料総額が20万円で勤務日数が40日の場合、「200,000(円)×1/40(日)」の5,000円分の給料が支払われます。

標準報酬日額で算出する場合

アルバイト先の健康保険に加入している場合は、社会保険の「標準報酬日額」から日割り計算して算出されることがあります。

また、標準日額報酬の適用を受ける場合は、アルバイト先との同意である労使協定が必要です。

アルバイトの有給休暇の取得方法とは?

アルバイトでも有給休暇を取得することが可能ですが、そのことを知らない人も少なくないせいか、アルバイトの有給取得実績は高くはありません。

アルバイトが有給休暇を取得する場合は、アルバイト先の承認を得る必要があります。
また、アルバイト先もアルバイトから有給休暇の申請を受けた場合は、基本的に断ることはできません。

しかし、1人が有給休暇を取る場合、会社側はシフトを調整しなければならなくなることもあります。
そのため、有給休暇を申請する際は、1ヵ月前くらいを目安にアルバイト先に相談するようにしましょう。

ちなみに有給休暇の申請理由は「私用のため」と伝えれば問題ありません。
また、慶弔休暇や生理休暇などが有給休暇として扱われるかどうかは、アルバイト先の就業規則によっても異なります。
その場合は、慶弔休暇や生理休暇などが有給休暇になるかどうかと申請方法について、あらかじめアルバイト先に確認しておきましょう。

使わなかった有給休暇は繰り越せる?

もちろん、有給休暇は必ず使わなければならないものではありません。

1年で使える有給休暇をすべて使わなかったということもあり得ます。
結論、使わなかった有給休暇は、20日を上限として次年度に繰り越し可能です。

有給休暇の繰り越し分がある場合は、古い分から有給休暇が消化されます。
そのため、1年間で慌ててすべての有給休暇を使い切る必要はないということです。

有給休暇の付与から2年経ったら失効するので注意が必要

先ほど、使わなかった有給休暇は、20日を上限として次年度に繰り越し可能であることを説明しました。

では、1年に10日有給を与えられた人が繰り越しを重ね、2年目で20日・3年目で30日……という風にどんどん繰り越しができるのかというと、答えは「できない」となります。

有給休暇は、「付与された日から2年経ってしまった場合」と「有給休暇が残ったまま退職する場合」は取得する権利がなくなってしまうので注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

アルバイトでも一定の要件を満たせば有給休暇の取得が可能ですが、そのことを知らない人も少なくありません。
有給休暇を使わなかった場合は次年度に繰り越すこともできますが、2年経つと失効してしまいます。

まずは、自分が有給休暇を取得できる条件を満たしているかを確認し、有給休暇が必要な場合は早めにアルバイト先に相談するようにしましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*