派遣会社の仕組みとは?仕組みを知るべき理由や派遣料金の仕組みも解説

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1986年に労働者派遣法が施行されてから、派遣会社の市場規模は右肩上がりです。
働き方が多様化している影響もあり、今後も派遣会社・派遣社員は増えていくでしょう。

しかし、派遣社員として働こうとしている方の中には、

  • 派遣会社とはそもそもどのような仕組みか知りたい
  • 派遣会社と勤務先の関係性を知りたい
  • 派遣社員を守る仕組みがあるのか知りたい

という方も多いでしょう。

今回は派遣会社の仕組みや派遣社員を守る仕組みについて解説します。
今後、派遣社員として働こうと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしていただければと思います。

派遣会社の仕組みを知っておくべき理由

派遣会社の仕組みを解説する前に、本章では派遣会社の仕組みを知っておくべき理由を解説します。
派遣会社の仕組みを知っておくべき理由はズバリ、自身の身を守るためです。

例えば、職場でのハラスメント被害にあった場合、訴える先はどちらになるでしょうか。
普通は職場だと思いますが、派遣社員の場合は異なります。
派遣社員の場合は、契約元である派遣会社に言わなければいけません。

派遣社員の立場は正社員とは異なり、特殊な立場で働いていると自覚をする必要があります。
税金の仕組みを知っておけば、無駄な税金を払わなくてもよくなるケースがあります。
同じように派遣会社の仕組みを知っておけば、自身の身を守る役に立ちます。

派遣会社の仕組み

本章ではメインテーマである派遣会社の仕組みを解説します。
基本的に派遣会社は企業へ派遣社員を送り、企業からお金を貰う形で成り立っています。

派遣会社と派遣社員:労働関係

派遣会社と派遣社員との関係性は、契約による労働関係にあります。
派遣社員は派遣会社と契約を結び、派遣先の企業で働く代わりに給料をもらっています。

労働の対価として給料をもらう構造は、アルバイトや一般的な正社員と変わりありませんが、実際に働く場所が異なる点に違いがあります。

他には派遣社員は派遣会社の福利厚生が利用可能です。
企業によっては福利厚生が充実しているので、機会があれば活用するとよいでしょう。

派遣会社と派遣先:派遣契約

派遣会社と派遣先の企業は派遣契約を結び、派遣社員を派遣してもらいます。
派遣先の企業は労働力を提供してもらうかわりに、派遣会社に派遣費用を支払います。

派遣会社と派遣先の関係は対象が労働力なだけで、基本的な仕組みはサービスの売買と変わりありません。

なお業務内容によっては、法律で派遣が利用できないと決まっているケースがあります。
具体的には以下の業務では派遣が利用できません。

  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業務

他にも派遣が利用できない仕事があり、全ての仕事で派遣会社が使えるわけではありません。

派遣先と派遣会社社員:勤務先と使用者の関係

派遣先の企業と派遣社員の関係性は、使用者と労働者の関係性です。
契約自体は各々派遣会社と結んでいるものの、実際に業務の指示を与えるのは派遣先の企業です。
派遣社員は派遣先の指示に従って、仕事をおこないます。

なお、派遣先が指示できる業務内容はあらかじめ派遣契約で決まっています。
派遣先の企業は派遣契約にはない業務を指示することはできない決まりです。

アルバイトとの違い

アルバイトとの仕組みの違いは、雇用関係です。
アルバイトは基本的に直接の雇用関係となります。
例えば、事務員の仕事をするにしても、アルバイトの場合は事務所に直接雇われるのが一般的です。

一方で派遣社員は紹介してきたとおり、雇用先と実際の使用者は異なっています。

派遣社員の種類

派遣社員には3つほど種類があり、各々で契約形態や期間が異なっています。

1つ目は登録型派遣です。
登録型派遣とは解説してきたタイプの派遣社員になります。
派遣会社と契約を結んだ後に派遣先で働き、派遣先での仕事が終わると派遣会社との契約も切れるタイプです。

2つ目は常用型派遣です。
常用型派遣は一般的に派遣会社の正社員として雇用された後に、派遣先で働くタイプの派遣社員です。
派遣先での仕事が終わっても正社員のため、派遣会社に雇用されたままになります。

3つ目は紹介予定派遣です。
紹介予定派遣は、派遣先で雇用されるのが前提の派遣社員です。
派遣終了後に、派遣先と派遣社員の双方が納得すれば、派遣先で雇われることになります。

派遣料金の仕組み

派遣社員として働いた際に、自身の給料がどのようになっているのかは気になるところでしょう。
仮に自身の給料はあまり高くないのに、派遣料金が高かったら複雑な心境になるはずです。
本章では派遣料金の仕組みを解説します。

派遣社員への給料は特定のルールに基づいて、決められています。
派遣料金を100とすると、派遣社員の給料は70になります。
一般的に想像しがちな、安い給料で高い派遣料金というのは現実的にはありません。

派遣料金の残りは社会保険料や有給費用、経費、営業利益で構成されています。

参考:一般社団法人日本人材派遣協会

派遣会社で働く派遣社員を守る仕組み

派遣社員は不安定さから、比較的弱い立場にあるとされています。
昨今は正社員でさえ安定的とはいえませんが、派遣社員の方が不安定な“橋”を渡っているといえるでしょう。
本章では派遣社員を守る仕組みを解説します。
派遣社員を守る仕組みが用意された背景としては、過去に様々な事情で派遣社員を守れなかったケースがあります。
現在は多くの仕組みで派遣社員を守る仕組みが用意されています。

優良派遣事業者

派遣会社の支店や営業所は2021年時点で42,448カ所あります。
約42,000にもおよぶ派遣会社の中から、皆さんは優良な会社を見つけられるでしょうか。
時間をかければ不可能ではありません、正直手間もかかり難しいはずです。

昨今では優良な派遣会社を見分ける方法として、優良派遣事業者という基準があります。
優良派遣事業者に認定された派遣会社は、法令や福利厚生などの一定の基準をクリアしたということです。

ブラックな会社で搾取されないためにも、優良派遣事業者で会社を選ぶのも1つの方法です。

参考:一般社団法人日本人材派遣協会

派遣可能な期間

2015年には法改正がおこなわれ、同じ職場で働けるのは最大3年という決まりになりました。
法改正がおこなわれた背景には、派遣社員のステップアップが目的となっています。
正社員への雇用や別の職場でのスキルアップの機会を増やすことが目的です。

日雇い派遣の原則禁止

過去には派遣社員の日雇い労働がありましたが、労働者の安全が守られなかったことがあったため、原則禁止となりました。
現在は60歳以上や学生などの一部の方々を除き、日雇いは禁止となっています。

労働関連法

忘れてはいけないのが、労働基準法などの労働関連法です。
労働者を守る労働関連法は、もちろん派遣社員を守る仕組みにもなっています。
また労働者派遣法もあるため、派遣社員を法令でキチンと守る仕組みは整備されています。

まとめ

派遣会社は数多く存在しており、昨今では派遣会社で働く方も珍しくありません。
一方で派遣会社がどのような仕組みになっているのか、知らない方も少なくないでしょう。

派遣会社は企業と派遣契約を結び、派遣社員を派遣する代わりにお金を得ている会社になります。
対価となる派遣料金はルールに従って決まっているなどの仕組みがあります。

今後、派遣会社で働こうと考えている方は、働く前にぜひ本記事を参考にして、派遣会社の仕組みを学んでいただければと思います。

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